排水詰まりの救世主「トーラー作業」
キッチンや洗面所、浴室の排水口が流れにくくなったとき、多くの方がまず試すのは、市販のパイプクリーナーやお湯流しなどの簡易的な方法です。
しかし、これらの方法で改善しない「しつこい詰まり」や「奥の方の詰まり」には、**トーラー機(ワイヤー式管清掃機)**を使った作業が有効です。
今回は、DIYでもできるトーラー作業のポイントと、プロ業者が行う作業との違いをわかりやすく解説します。
1. トーラー作業とは?
トーラー作業とは、ワイヤー状の清掃機器を排水管の奥まで挿入し、回転させながら異物や汚れを削り取る方法です。
ワイヤー先端には専用の刃(カッター)やスプリングがついており、油汚れ、髪の毛、固形物などを物理的にかき出せます。
- 使用する機材:手動式・電動式のトーラー機
- 対応できる詰まり:固形化した油、石鹸カス、髪の毛の塊、木の根の侵入など
- 作業のメリット:薬品では溶けない詰まりにも対応可能
2. DIYでできるトーラー作業
市販されている小型の手動トーラー機を使えば、一般家庭でも簡単な詰まりは解消できます。
ただし、DIYの場合は以下の点に注意が必要です。
2-1. DIYのメリット
- 安価(ホームセンターで3,000〜10,000円程度で購入可能)
- 軽度の詰まりなら即日解消できる
- 薬品に頼らず環境負荷が少ない
2-2. DIYの注意点
- ワイヤーの長さが短く、奥の詰まりには届かない
- 無理に押し込むと排水管やトラップを破損する恐れ
- 作業中に汚水が飛び散る可能性が高い
- 根本原因を完全に除去できない場合がある
3. プロ業者によるトーラー作業の違い
プロが行うトーラー作業は、単に「詰まりを取る」だけではありません。
以下の点がDIYと大きく異なります。
3-1. 専用機材の性能
- 電動式でパワーがあり、長さ20m以上のワイヤーも使用可能
- 詰まりの種類や管径に合わせたカッターヘッドを選択
- 高圧洗浄機と併用して、管内をより清潔に仕上げる
3-2. 安全かつ正確な作業
- 配管図や構造を把握し、最適な方向から作業
- 配管を傷めない回転数や押し込み力を調整
- 詰まりの原因(油、毛、異物、木の根など)を特定して再発防止策を提案
3-3. 作業後のアフターチェック
- 作業後に水を流して流量確認
- 必要に応じて内視鏡カメラで配管内を確認
- 管の劣化や傾斜不良など、詰まり以外の問題も発見できる
4. どちらを選ぶべきか?DIYとプロの使い分け
- DIY向き:軽度の詰まり(髪の毛・食べカス・石鹸カス)で、排水口から1〜2m以内
- プロ推奨:水がまったく流れない、何度も詰まる、屋外の排水マス付近で詰まりが発生、異臭がする場合
軽度の詰まりはDIYで解消できますが、無理をすると修理費が数倍に跳ね上がることもあります。
特に築年数の古い建物では配管が脆くなっているため、安易な自己作業は避けたほうが安全です。
5. まとめ
トーラー作業は、排水詰まりを物理的に取り除く非常に有効な方法です。
ただし、DIYでは対応できる範囲が限られており、深刻な詰まりや繰り返すトラブルにはプロの技術が必要です。
プロ業者なら安全性・確実性・再発防止の面で大きなメリットがあり、長期的に見てもコストパフォーマンスに優れています。
もしDIYで解消できない排水トラブルが起きたら、無理をせず専門業者に相談しましょう。
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